「西村晃のマーケティングの達人 大繁盛の法則」企業経営・売上アップのヒントを提供

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三陸路から「おふくろ」ならぬ「小袋」の味を提案する魚加工会社

高齢化、核家族化の時代にサバの味噌煮やカレイの煮付けなど本格的な味付けで調理をした魚を食べてもらいたいと冷凍レトルト加工の魚料理を開発。
定期購入するお年寄りや贈答に使う人に支持され急成長する地方発元気企業。

小野食品株式会社

地元再生と企業成長は車の両輪

岩手県釜石市。
かつて鉄の町と言われたが平成元年に高炉の火が消えて以来、鉄鋼業で働く人は激減、人口はピークの昭和39年の10万人から現在は4万人あまりに減っている。水産業も精彩を欠きいまや、商店街の衰退は見るも無残だ。
そうした中にあって、地元で水揚げされる魚を中心に調理加工した冷凍食品を月200万食生産し業績を拡大させている元気企業がある。
小野食品だ。
もともと小野食品は地元で干物などを扱う零細企業だった。
現社長の小野昭男さんは大学卒業後大手スーパーに勤務していたが、父親の急死で急遽郷里に帰ってきた。
以来25年あまり、売上規模を引き継いだ当時の25倍に拡大させている。
小野食品は当初はスーパーや外食産業が扱う焼き魚などを中心に生産していた。
しかし価格決定権は収め先にあり利益なき繁忙に陥りがちで、小野さんはビジネスモデルの転換に迫られていた。魚加工という基本を変えずにどうしたら、価格決定権を確保し、しかも付加価値をつけるビジネスを構築できるか。
消費地から遠く流通経費もかかる釜石の食品加工業の悩みは深かった。
小野さんが考えた結論は、業者ではなく、直接家庭の消費者に届け、お客さんが商品の良さを評価して購入し、送料もお客さんが負担してくれるようなビジネスにしようということだった。
そして小野さんは核家族化、高齢化そしてマンション暮らしでは生の魚を調理した後のごみ処理もままならないという消費者の事情をつかんだ商品開発に特化する戦略を進め、徐々に家庭用の煮魚を冷凍パッケージにした商品にシフトしてきた。
食べる直前に袋ごとお湯に入れて温めて食べるサバの味噌煮、サケの西京漬け、ナメタガレイの煮付けといった商品は単身者向けや贈答品として人気を集めている。
地元釜石港で水揚げされた魚を加工して家庭用の食材にすることで低価格志向が強まる時代にもかかわらず付加価値商品として 消費者に受け入れられた。

いま小野社長はもうひとつあらたな取り組みをしている。
それは地域おこしだ。
最初は自社商品を近所の人に販売する即売会をやっていたが、数年前から仲間の水産業者や農家、飲食店などにも声をかけ 体育館を会場にして新聞折り込みチラシなどでピーアールしたところ年末の日曜日に3000人を越える人が集まるまでに定着した。
「人口4万人弱の釜石でこれだけの人がオープン前から行列をつくるほど集まって下さるというのは驚きました。地方都市では日頃大きな刺激がありませんからこうしたイベント自体がなによりの娯楽であると思います。楽しさを提案すればみなさん集まり結果として購買力が生まれるということを地域活性化のヒントにしたいと思います」
小野さんはこう語る。
第一次産業の漁業をベースにいかにそれを小売業サービス業として付加価値産業に発展させ、さらに集客力あるマグネットとして人を集めるか。

小野さんは自分のビジネスとふるさと再生をクルマの両輪と位置づけている。

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