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挑戦の姿勢で廃プラ問題に立ち向かう



<アクタ>

前回の東京オリンピックは新幹線や高速道路の開通だけでなく様々な取り組みが始まり、その後の東京都民の暮らしを変え、さらに全国に波及していった。
都市河川の暗渠化、し尿処理の下水道整備などもオリンピックを境に広まった。
さらにゴミ収集の変化も忘れてはならない。

それまで東京では住宅の玄関先にゴミ箱がおかれ、収集車がその中のゴミを運んでゆく方式だった。
しかし放置したままのゴミ箱は街の美観を損なうと収集日にポリバケツを出し、収集後はバケツを下げる方式が採用された。
その後ポリバケツはポリ袋などに変わったが基本的には収集日のみゴミを出すという方式は全国で定着する。

今またオリンピックを前にレジ袋を有料化し、ゴミの削減に取り組む方針が打ち出された。
スポーツイベントと直接関係ないことではあるが、ゴミ削減に取り組む国家の姿勢をアピールする絶好のチャンスと位置付けられている。
同時にプラスティックストローやペットボトルなどのいわゆる廃プラ問題も大きな関心を呼んでいる。

多くのプラゴミは自治体の焼却炉で燃やせるゴミとして処理したり、分別収集により再利用できるようになっているが、海や川に投げ捨てられると回収が難しく環境汚染や海洋動物などのへの影響も懸念される。
大量廉価生産で便利と評価されてきたプラスティック容器が悪者扱いされかねない状況になり、業界は対応に追われている。

柴田社長

福岡県古賀市に本社があるアクタもその一つだ。
アクタは以前はコンビニ弁当などの容器を作っていたが、利益なき繁忙に追い込まれがちで現社長の柴田伊知郎氏の就任後、百貨店などで販売する高級料亭などの弁当容器に特化する戦略にかじを切った。
売上はピークの半分になったが、逆に利益は倍増した。

「納め先が変わり最終顧客層も様変わり、シニア層が中心になりました。
昔は家で弁当を作り外で食べましたが、いまや駅ナカやデパ地下で買ってきた惣菜弁当を家で食べる時代になり需要は増しています」
と柴田社長は言う。

福岡県古賀市にあるアクタ


もともと博多まげわっぱを生産していた企業だけに、高級な風合いが感じられ燃やせるゴミとして処理できるプラ容器に活路を見出した。
アクタはいま、プラスティック容器全体への逆風を冷静に受け止め、環境に貢献する企業としての技術力を世に示しながら、さらなる成長路線を模索している。

毎年春、東京ビッグサイトで開かれる食品展示会「ファベックス」。
ここに使われる商品や技術を説明するパネル、会場の案内板、社名板などはおよそ400枚にもなる。
実はこのパネルは「Recoボード」と名付けた「アクタ」の今後を占う戦略商品だ。

「展示会や店頭ディスプレイなどで一般に使用されているパネルはこれまで使用後すべて捨てられていました。
プラスティック製の発泡ボードに文字や写真を施した紙の素材を貼り合わせているためリサイクルが難しかったのです。
そこで、ボードの表面も全てプラスティックで構成、そのまま文字や写真を印刷し、使用後にリサイクル可能なボード『Recoボード』を商品化しました。
弁当容器の技術を応用した提案です。このシステムが浸透すれば、商業施設や展示会で使われる何百枚もの廃棄物を出さなくてすみます」(柴田社長)

「アクタ」の社名は「ACCORD=調和」「CREATIVE=独創性」「TRY=挑戦」「ACTIVE=活気」の頭文字をとったという。
「活気」ある社員のアイデアが「調和」して社会のニーズをとらえ、「独創性」を発揮し、「挑戦」を続けてゆく。
逆風を測り、順風に変える冷静な経営判断が求められる。

アクタは弁当容器の製造企業だ
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