
枕を単なる寝具にとどまらず「快眠」をテーマにした健康のための付加価値商品と位置付け、ピローフィッターという専門販売員によるコンサルティング販売というしくみをつくった「ロフテー」。
高価格帯商品を顧客満足で販売する戦略を明確に打ち出している。
「眠りの商品化」
これを追求してきた企業がある。
「24時間タタカエマスカ」というテレビコマーシャルが席巻した、あのバブル経済ピークのころ。
「一億、躁の時代に、一方で不眠の悩みを訴える人が増えていたことに注目しました」
ロフテー社長の磯貝俊介さんは当時を振り返る。
ロフテーは、もともとは寝具メーカーとして、シーツ等ギフト中心のビジネスが主体だった。バブル経済の後半、物質的に豊かになった生活者に、商品だけでなく快眠そのものを提供したいと考え、89年東京・青山に「ねむり文化ギャラリーα」をオープンした。
そして月1回、「眠りの相談会」を実施したところ、7割の方が枕に関心があるという調査結果がでた。
「枕こそ眠りの重要アイテムと確信し、当社の核商材と位置付ける決断をしました。洋服や靴を試さずに買う人はいません。毎日使う枕こそしっかり試していただくべきだと結論づけ、そんな売り場の実現をめざしました」
こうしてスタートしたのが「ロフテー枕工房」だった。
この売り場では、ベッドを用意してお試しに寝てもらい、ピローフィッターという専門販売員が、枕選びのコンサルティングをしたうえで、一人一人にあった枕を選べるようにした。
「快眠枕」と名付けたロフテーの枕は、自分に合った高さと素材を選べるとともに、最も楽な姿勢を保つために首のカーブを支える基本構造にあると定義した。
すなわち、一つの枕を左右二か所ずつと中央の計5つのパーツからなる組み合せ構造として、就寝時に中央パート部分にうまく頭部が固定され、無理のない姿勢で首の部分が支えられるようにしたのである。
枕の対面販売と、お試しに寝てもらう場所を提供するという「枕工房」にふさわしい販売チャンネルはやはり百貨店と、96年に1号店に選んだのは、新宿小田急百貨店。最初の1カ月、わずか6坪で2,000万円を売り上げた。
以後全国に70店あまりの「ロフテー枕工房」を展開して今日に至る。
ロフテーの枕は安いものでも1万円前後からと、価格だけを比べれば他のメーカーの価格より高価格帯にある。
「私たちの考え方は単なる枕をご提供するというだけにとどまらず、お客様に快眠を提供する究極のサービス産業だということです。ピローフィッターのきめ細かな接客とコンサルティングによりリピーターの方が多く、またご親戚やお友達などにご紹介いただくケースも多々あります。まさに顧客満足をご評価いただけるビジネスでありつづけたいと考えています」
磯貝さんはこう語る。
この会社の販売手法に納得し商品を手にする満足を知っている人をどれだけ増やせるか。成長のカギはここにある。