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東京中野区の桃二小学校の一角を利用してお年寄りにデイサービスを行っている「桃二高齢者在宅サービスセンター」は、お年寄りにパソコン使用を促したり、「遠足」で積極的に外出したり、あるいは体操で身体を動かすことを勧め、利用者の心と体の活性化に努めている

桃二高齢者在宅サービスセンター

「前を向いて歩こう 明日を向いて進もう♪ あしたには新しい何かが待っている♪」

日本人なら誰でも知っているあのメロディで、この替え歌が小学校の敷地内から聞こえてくる。
東京中野区の桃園第二小学校。
少子化で空いた体育館の一角が高齢者のデイサービスセンターになっている。
それが「桃二高齢者在宅サービスセンター」である。
定員はおよそ30人。
所長の小濱祐治郎さんは56歳、母親の介護をしているうちにこの仕事に関心をもち中野区からの小学校敷地の活用提案を受けて、平成13年に開所した。

このセンターにはいくつか特徴がある。
まず毎日午前中を中心にお年寄りたちがパソコンに取り組んでいる。
20台あるパソコンはいつも稼働中、一人で操る人も多いが、分からなくなったら指導員がマンツーマンで相談に乗ってくれる。
「最初は電源の入れ方さえ分からないという方が、かなり使いこなせるようになっています。なかには海外にいるお孫さんとメールを交わしているという方もいらっしゃいます」
こう話す小濱さんだが、実はパソコンを導入したのは、最初は「苦肉の策」だったと言う。
「限られた職員でお世話をしますからどうしても手が足りなくなりがちです。利用者の方がパソコンに集中してくだされば、その分手間がかからないということを考えました。いざ始めてみたらみなさんパソコンを大歓迎されています。お年寄りにとってパソコンは「若返りの玉手箱」。お年寄りはITに弱いという先入観は禁物です」

スカイツリーに、東京大仏に、NHK放送センター・・・・。
他にも花の季節にはあちこちお花見ハイキングにも出かける。
「桃二高齢者在宅サービスセンター」では月に一度の頻度で、みんなで出かける「遠足」がある。
「とてもみなさん喜んでいます。外出は老人性うつ病の予防にも大変効果があります。外の空気に触れることで気晴らしになり、入ってくる情報も格段に増えます」と小濱さん。
身体を動かすことは何より大切だ。
外出以外にも毎週のカリキュラムに組み込んでいるのが体操である。
三つの班に分け、リーダーが掛け声をかけて全員に身体を動かすように促す。
全体で、大人数でやれば、一人くらいさぼっても大丈夫という気になる人がいるものかもしれないが、ここでは班に分かれてやることで、みんなが一緒にやる雰囲気が出来上がっている。
このセンターは、介護度の改善に効果があったと、東京都から認定を受けるまでになっている。
「介護保険制度の中で私たち事業者が目指しているものは、ご利用者の自立した普通の暮らしです。可能な限り、普通に体を動かし、普通の生活を送ってもらいたい。では、どうすれば要支援・要介護の方が普通に暮らせるように、身体機能を維持・改善・向上することができるか。まさにこの課題について、日々考え実践しながら、独自に介護プログラムを進化させて参りました。その結果中野区で初めて、2010年度、2011年度と2年連続で東京都福祉保健局より事業所評価加算の適合認定を受けることができました」
小濱さんはこう説明した。

「桃二高齢者在宅サービスセンター」は2012年大きな節目を迎える。
中野区の都合で、小学校敷地から出なければならなくなり、新しい施設の建設をせまられていたが、近接地に土地を確保、春のオープンに向けて建設工事が急ピッチで進んでいる。
「桃二という慣れ親しんだ名前があったので、小学校の近くに土地を確保しました。これまでは体育館の一部を使っていたのでお風呂の設備がありませんでしたが、今度の建物には入浴設備も作るなど器は満足のゆくものになります。定員も大幅に増えてすっかり生まれ変わることになります」と、小濱さんは期待に胸を膨らませる。
「「福祉(ふくし)」とは、つまり(ふ)つうに(く)らせる(し)あわせ、だと思います。利用者様とそのご家族に「普通に暮らせる幸せ」を実感してもらうお手伝いをこれからもして行きたいと思います」

充実した時間をお年寄りに提供してきた「桃二高齢者在宅サービスセンター」は「桃二倶楽部」と名称を変えて、十分なハードとソフトを備えた施設として再スタートすることになる。
「前を向いて歩こう 明日を向いて進もう♪ あしたには新しい何かが待っている♪」
そんな期待の声が、利用者から聞こえてくる。

オフィシャルサイトはこちら