西村晃の伝言板
2025-07-26
先日新聞広告を見て海外旅行のコースが自分の空き日程に合い、行きたい国・地域だったので空席照会の電話を旅行会社にかけた。
フリーダイヤルがようやくつながる。新聞広告にあるコース番号を聞かれ検索の結果、空席も確認できた。
名前と住所などをこの電話で伝えれば、あとは正式な申し込み用紙が送られてくる、とこの時点では予想した。
ところが意外な展開が待っていた。
「当社のプライバシーポリシーを読み上げますので、了承できるかお返事ください」
「その次に旅行約款を読み上げます。一項目ずつ了解いただけるかお返事ください」
「電話でそんなことやるの?長くなるし一度聞いても分からないよ」
しかし、電話の向こうは本当にそれを読み上げだしたのだ。
「ちょっと待って、そんなこと正式に申し込みをしてからでもいい話だし、やはり旅行やめるかもしれないでしょ?電話で次々に言われても頭に入らないし、そもそもこっちだって忙しいんだよ」
「わかりました。それではお名前と電話番号,住所をおっしゃってください」
私がそれらを伝えると
「ちょっと待ってください。西村さまは横浜の住所と違います。住所変更届を出していないんですか」 と詰問調になった。
「たまたま新聞広告見て電話しただけだ。過去にどこかに行った時の記録がそちらに残っていただけで、うちが住所変更をする義務も必要もない。わかりました。もう今回の旅行申し込みません。さようなら」
こうして電話を切った。
ここまで20分以上。
ばかな会社だ。
せっかく電話をくれた申し込み客を煩雑な電話応対に突き合わさせた挙句、みすみす失ったのだ。
すぐに別の旅行会社に電話、同じ地域同じ日程の旅行を仮予約した。所要時間は10分かからなかった。
私は先の旅行会社とかつて仕事上の付き合いがあったので内情を知っている。コロナ禍で大量解雇し、電話業務などはすべて外注化している。
しかしせっかく人が応対しているのに、みすみす客を怒らせて逃すくらいならエーアイの方がはるかにましだろう。
過去に売れたデータは、パソコン見ればわかる。
最近はそんなデータ重視で仕事をする会社が増えた。
ただ、客が買わなかった理由は記録に残らない。
あの旅行会社のコンピュータになぜ西村という客が二度とこの会社の客にならないのか、というデータは残らないはずだ。
現場にしか事実はない。