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西村晃の伝言板

2025-08-03

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民間が作った街 長崎スタジアムシテイ

以前の長崎を知っている人は近年の駅周辺の変貌ぶりに立ち尽くす。2022年の長崎新幹線開業でJRの駅が大きく変わり、外資系シティホテルや大型商業施設が併設された。そして隣の浦上駅近くには巨大施設「長崎スタジアムシティ」が昨年秋にオープン、今回見学してきた。

これは通販会社ジャパネットグループが運営するサッカースタジアム、バスケットボールや音楽イベントができるアリーナ、さらにホテルや商業施設、オフィスビルなどを備えた大型複合施設である。もともと三菱重工の造船所あった土地の再開発で、およそ1000億円の総事業費を行政支援を受けず民間資本で賄った。総敷地面積75000㎡、東京ドーム1.5倍の巨大プロジェクトである。

とにかくその大きさには驚かされる。敷地の広さもだが、スタジアム、ホテル、オフィスビルと施設がどれも背が高くそびえており、中に入ると異次元空間に入った感じで道に迷う。

長崎市出身の福山雅治がプロジェクトのPR責任者となる「クリエイティブプロデューサー」に就任した。オープン前日の昨年10月13日には「こけら落としライブ」として「福山雅治無料ライブ」が開催された。私が行った日も歌舞伎イベントが催され朝から入場を待つ人が列を作っていた。一般の人に加えてコンサートなどで訪れたアーチストなどの名前が足元に刻まれるようになっている。

スタジアムは収容人員2万人の球技専用スタジアムで、ジャパネット傘下のJリーグクラブであるV・ファーレン長崎のホームスタジアム。コンコース開放型施設として試合がない日はコンコース・客席が一般開放されて2階のフードホールと3階のコンコースも営業している。見学ツアーに参加すると選手ロッカールームや記者会見場、ダグアウトなどにも立ち入ることができる。

ホテルは地上14階建て、スタジアムのバックスタンドと一体的な構造となっており、243室の客室の約7割がスタジアムを直接見下ろせる「スタジアムビュー」となっている。試合日は予約で埋まるという。

プロのサッカーやバスケットボールの開催日は年間で限られているから残りの日をどんなイベントで埋めていくのかが課題となる。試合数の多い大都市のプロ野球用ドーム球場でさえゲーム開催日以外のイベント集めの営業は難しい。地方都市長崎でこの施設がうまく機能するか、ゲームはまだ始まったばかりである。