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西村晃の伝言板

2025-09-21

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青い池の様変わり

10年前になる。

人里離れた山中、地元でもらった地図を頼りに林の中に車を止めようやく探し当てた

幽玄な池を見たときの、息をのむような感動は今も忘れられない。

北海道美瑛町の「青い池」。

エメラルドブルーの池から枯れ木が何本も突き出していた。

この池は1988年に噴火した十勝岳の堆積物による災害を防ぐため、美瑛川に複数建設された堰堤のひとつに水が溜まったものだ。周囲に自生していたカラマツ、白樺などの樹木が水没し立ち枯れた。青い池は偶発的に人造池となったものである。

この付近の湧水には 水酸化アルミニウム(Al(OH)3)などの微粒子が含まれており、美瑛川の水と混ざることによって目に見えないくらいの小さな粒が存在、それに水中に差し込んだ太陽光があたり水の吸収による青色の透過光が加わることで、美しい青色に見えるという。水の青さと立ち枯れた木々の幻想的な景観からいつの頃から誰からともなく「青い池」と呼ばれるようになった。

5年ほどたち再訪すると、駐車スペースが広くなり10台ほどのクルマが停まれるようになっていた。

そしてこの夏3度目に訪問すると、状況は激変していた。十勝岳に向かう一本道に「青い池駐車場に入る側道」ができ、木を伐採してつくられた200台近くが収容でき大型バスも駐車可能なコインパーキングができていた。

途中道路には「夏季期間中は渋滞で混雑しますので青い池に入るクルマは側道へお回りください」という看板も出ていた。

そしてなにより人の多さ・・・。

観光バスを降りてくる人・人・人・・・

9割以上が韓国人だという。韓国ドラマのロケ地として紹介されて以来こんな状態になったそうだ。みやげ物屋やトイレも作られいつのまにか大観光地となっていた。

それにしても林の中に眠るようにあった池だからこそ幻想的で魅力があったのだ。池が丸裸になるほど木が伐採され駐車場からも丸見えになった池などなんの魅力もない。